2012年2月26日日曜日

番組放送後の反響と心境の変化

先日再放送も終わり、ネット上や周囲の反応などを見ての印象、自分の考えの変化を書きたいと思います。

まず、これは主にネット上の話になると思いますが、総合的に見て「がんは自分とは関係がない」と思っている人が多いなと感じました。

このあたりは、全てのことに関心を持つことは不可能ですし、仕方ないことだとは思います。自分自身そんなことは多くあると思います。

ただ、多くの人ががんにかかる時代ですし、自分のためにも少しくらいは現状を知っておいたほうが良いのではないかと思います。

これに関しては、地道に情報を発信していくということが大切なんだと思います。


あと、自分が病気であったことを打ち明けた時の反応に関して。

同情という名の差別、という言葉に違和感あるということを何度か聞きましたが、今考えると確かに違和感があるかもしれないと感じました。どういう意図なのかは詳しくはわかりませんが。

いきなり場の空気も読まずに打ち明ける人はほとんどいないと思いますが、場面によっては言わなければいけないことは多々あります。

その時にかけられる言葉は色々あると思いますが、どの言葉がいいのかっていうのは人によると思うんですよね。

「大変だったね」というのが嫌だったり、逆にそれが一番良かったり、「がんばったね」が嫌だったり、それが良かったり。

がん以外でも、かけられたら嫌な言葉、逆に良いと思う言葉はあるでしょうし、そこは一緒だと思います。

病気だった経験を糧にしたい人や、忘れ去りたい人様々ですよね?

自分の経験全てを相手が理解することは不可能だし、だからこそ自分にとって貴重な経験だったとも考えられるわけで、そこは自分でどう捉えるかだと思います。

「かわいそうに」という言葉も含めて、かけてくれる言葉は自分を心配してくれているんだと思います。

でもやっぱり「かわいそうに」というのは、自分の人生全てをひっくるめて(全てを知ってるかのように)不幸だと決めつけられている気がするから良くないですね。

結局いろいろなケースがあるので、そのあたりの悩みを打ち明けられるような場ができることが一番最善なのかなと思います。

それよりも、病気になった時点でクビを切られてしまったりする就労の問題や、結婚の問題など、「がん」という言葉を出した時点でシャットアウトしてしまうような現状があることについては違うんじゃないかと思いますし、そこは訴えていくべきなのでしょう。

前にも言った通り、そこに「事実と認識のギャップ」は存在すると思うからです。

その人の状況や人柄など全体を考慮した上で結論を出すべきだと思います。

理不尽なことはいろいろあると思いますが、だからと言って全て許してしまえば何も変わりませんからね。


最近、番組を見ていただいた方から頂いた言葉や時間の経過によってかはわかりませんが、少し自分が病気であったことの捉え方が変わってきたように思います。

なんか自分では吹っ切れたつもりでいても、どうしても縛られてしまっている感じがありました。

STAND UP!!の表紙にもある「がん患者には夢がある」という言葉を改めて見て、そういえば自分の夢ってなんなんだろうと思ってしまいました。

「自分がやりたいこと」を考えることに固執してしまうのは良くないと思いますが、もう少し考えてみることも大切かなと感じています。

2012年2月18日土曜日

今日の放送

17日の放送を見ていただいた方、ありがとうございます。

予想より多くの反響をいただいております。うれしく感じるとともに、まだまだ現状が知られてもいなかったり、活動はこれからなんだなと改めて思いました。

放送内容以外にもお伝えしたいことは多くあったのですが、まずは一歩踏み出せたのかなと思います。

STAND UP!!としては、入院中・退院後の孤独な状態を少しでも解消するお手伝いができたらなと思います。



といっても、自分としては反省点多しです。

まず、言葉が詰まりまくってたのは、大反省です(笑)

それはいいとして、就職に関しては「現状は違うと思う」としか言えず、「なぜ」ということが言えなかった。

なぜなのかということを話すと長くなってしまうのですが、簡潔に言うと「”がん”についての認識にギャップがあるから」でしょうか。

もちろん、実際に亡くなってしまっている方も多くいらっしゃいます。

ただ、だからといって「がん=死」「がんになったから働けない」とは簡単に決めつけないでほしい。

再発のリスクがあることだって否めないですが、治っている人も多くいるわけだし、2人に1人がガンになるという時代にそれを避ける方が至難の技じゃないでしょうか。それより、企業として社会に何ができるかを考えた方が将来のためにも良いと思います。

もちろん、マイナスに見られることは現実的に仕方のないことなのかもしれません。それでも、それだけでシャットアウトしてしまうようなことがあり得るのは、事実と知識の差があることが原因で成り立ってしまっているのだと感じています。

優遇しろとは決して言っていません。せめて事実に基づいた認識の上で評価してほしいのです。

僕の中では、がんになったこと自体が良かったとは思えませんが、その経験から色々なことに気づけたことは、何物にも代えがたいことです。時間はかかりますが、少しずつこの経験も含めて自分なんだと感じられるようになってきました。

もちろんその経験だけでなく、そこから何をしたのかが重要になってくるわけですが、そこもしっかり見てほしいと思っています。